教員の給料は割に合わない?25年以上教員をしてきた私のリアルな振り返り

教員時代
うさぎ
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まじですか?

初任給、そんなにもらえんの?

超氷河期世代の私たち、可哀相過ぎひん、、、

もぉ、びっくりするわぁ。

2025年4月採用の新卒社員の初任給が、

リクルート32万、ユニクロを手掛けるファーストリテイリング33万、アクサ生命34万、ネット広告大手のサイバーエージェント42万と聞いて、私は大変戸惑っています。

私は就職超氷河期に教員の道を選び、講師時代を含めて25年。

このニュースを聞いて、今さらながら「教員の給料って割に合わない?」「教員って公務員だけど本当に安定職なのかな?」と疑問に思うようになりました。

教員の給料の仕組み

教員は毎月決まった日に給料が指定した口座に振り込まれます。学校だと事務の先生がそれぞれに給与明細を配ってくださいますが、私の知っている限り、給与明細をまともに理解している教員はほとんどいません。というのもちゃんと見る心の余裕がないという方が正しいかもしれません。

学校種別によって、教員の給料には違いがあるのですが、異動するときや赴任するときに給料についてどんな変化があるのかについて説明を受けたことは1度もなく、年に2回管理職からボーナスの金額に影響がある評価(S、A、B、C)の紙を渡されます。

教員は年功序列の給与体系なので、毎年必ずどんな勤務状態であっても給与は上がっていきます。逆を言うと、例えば研究主任や分掌の中で部長をして仕事量が多くなっても、役割が少なく毎日定時で帰っても、給料は同じということです。

小学校・中学校では給料に差がありませんが、高等学校の先生になると、少し月額が高くなります。

私の印象では仕事量や拘束時間を考えると、中学校の先生が1番給料を上げるべきでは?と思っています。中学校教員の仕事は本当に激務。

学校や学年、担当する部活によるかもしれませんが、他校種も経験した私から見ると、どの先生も大変で先生方の根性と熱意だけで成り立っている気がしてなりません。

土日の部活動指導も働き方改革で少しずつ変わってきていますが、それでもまだまだ根強く続いていて、あと5年くらいはこの体制は残るのではないかな、と感じています。

45歳時点のリアルな給料

45歳の時点で、6月の手取り給料(税金や年金を引かれた後の振り込まれる額)は、

ずばり『30万8,000円』でした。

この頃の働き方は、

  • 朝7時に出勤
  • 遅い日は夜9時まで勤務
  • 土日も出勤
  • 長期休暇中(ゴールデンウイークや夏休み・冬休み)も必要に応じて出勤

同期の仲いい先生友だちが

「学校の先生は半分ボランティアとして思わないとやっていけないなぁ。」

と話していたのが、今でも印象に残っています。怖くてやってないですが時給換算したら、びっくりする額になると思います。そりゃ、早期退職でみんな辞めていくわ、って感じです。

特別支援学級・特別支援学校の給料の加算

特別支援学級や特別支援学校の担当になると、給料の調整額として最大25%が加算されます。

私が担当した年の給料調整額は11,000円でした。

たしかに加算はありがたいですが、支援を必要とする子どもたちへの関わりや保護者との連携を考えると、この金額でいいのか?と疑問に思うこともあります。

それに、中学校の担任と特別支援学校の担任とで、専門性等が基準になっているのかと思いますが、私からすれば、圧倒的に中学校担任に加算すべきだと思います。

向き不向きがあるかとは思いますが、特別支援学級・学校の先生の仕事量や忙しさのスピード感は、中学校の担任に比べてゆったりしているし、休みも取りやすい環境のように思います。

47歳時点のリアルな給料

47歳の6月の手取り給料は

『34万3,000円』でした。仕事の出来はどうであれ、みな平等に着実に給料が上がっていきます。

毎月、安定して30万円以上が振り込まれることを「安定」とするのかどうか。この「安定」は働き方からして割に合わないのか。

25年以上教員をしてきた私としては、「人による!」です。

こんな働き方でこの給料は少なすぎる!と思える先生もいますし、逆にこんな働き方でこの給料をもらえる職は無い!と思ってしまう先生もおられます。できる先生、頑張る先生、やれてしまう先生にとっては教員の給料は本当に割に合わないと思います。

教員は年功序列で給料が上がっていくため、定年まで働けば徐々に順調に上がっていき一定の収入は見込めるでしょう。

でも、働く時間や負担、プライベートを犠牲にすることを考えると、本当に安定職と言えるのでしょうか?それに、先のお金が見えて働くことに面白さが見いだせるのでしょうか?

また同僚の言葉がよぎります。

「学校の先生は半分ボランティアとして思わないとやっていけないなぁ。」

今の若者の初任給に思うこと

しかしながら2025年の新卒の初任給が上がっていることは、正直私は良かったと思っています。

これだけ長い期間教員をしていて、今の子どもたちを見ていると、朝から晩まで『会社』という組織で頑張ろうと思ってくれる若者が今まだいることは、日本の未来に希望が持てます。

就職超氷河期世代としては少し切ない気持ちにもなりますが、きっと15年後には、教員の退職金2,000万円も今より減っているようにも思いますし、こんな状況の中でこれからの子どもたちが大人になって、教員として組織でまじめに朝から晩まで働いてくれるのか、…そんな不安もしてしまいます。

最後に

教員という仕事は、お金では測れないやりがいがたくさんあります。

生き生きと仕事をしていた先生にあこがれて先生になろうとするこれからの方たちに、

若い先生たちが希望を持って働き続けられるように、公平で合理的な仕組みづくりも必要ではないかな、と思うところです。

私のリアルな給料の振り返りが、教員の仕事に興味がある方や、教員の現状を知りたい方の参考になれば幸いです。