【体験記】教師の自腹 20年以上教員をしてきた私が経験してきた自己負担

教員時代
うさぎ
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冷静になって考えてみると

私、自腹で結構お金使ってたなぁ。

それが当たり前やと思ってたし、時間もないしやけど

子どもたちのため!と自腹きってる先生って多いんちゃうかなぁ。

私は20年以上、学校の先生として働いてきました。

教員は公務員だから安定している、そんなイメージを持たれることが多いかもしれません。でも、実は結構自腹を切ることが多いんです。今回は、私が経験した教員としての自費についてお話ししたいと思います。

研修費:自分を高めるための投資 

私たちが教員になった20年ほど前、研修に参加したり、研究会に入ることは当たり前でした。今振り返ると、同期のほとんどが何かしらの研究会に参加していました。

平日は激務で忙しくても、週末は勉強会。もちろん、勉強会や研究会の費用は完全自費。年会費がだいたい1万円、研修費用が5,000円〜1万円、宿泊を伴うこともよくありました。それでも、多くの教師は「子どもたちにもっとわかりやすい授業をしたい」という気持ちから、休み返上で参加していたのです。

もちろん、公的な研修もありますが、これらは理論的な内容が多く、実践にすぐに活かすのが難しいと感じることもあります。私自身も、より専門的な資格を取得するためには、やはり自費での研修が重要だと思っていました。にもかかわらず、そのための補助はありません。

ただ、私が働いていた学校の管理職の方々は、子どもたちや私たち教員のことをよく考えてくださる方がほとんどでした。研修に行ったことを知ると、「子どもたちのためにありがとう」と労いの言葉をかけてくださり、それはすごく嬉しかったし、やる気にも繋がっていました。

免許更新:再度の学び

今でこそ免許更新制度はなくなりましたが、以前は教員免許の更新に関しても自腹でした。費用は約3万円ほど。免許更新のために休みを取ったり、土日に大学に通ったりするのも当たり前でした。

特別支援学級や特別支援学校を担当することになった場合、特別支援免許を取得することを勧められます。しかし、そのためのサポートは一切ありません。自分で時間を作って勉強し、試験を受け、免許を取得するためには自腹を切らなくてはなりません。時間もお金も必要なのに、教員としてそのサポートがないというのは驚きでした。

教員の給与と残業:本当に安定しているのか?

教員の給与や残業代についても、最近ニュースで取り上げられています。しかし、教員という職業は基本的に真面目で一生懸命な集団です。給与は「安定」と言われることが多いですが、実際には残業代が支払われることはほとんどなく、副業もできません。

仕事量は多いのに、正当な対価を受け取ることができないのは現実としてあります。残業代がない分、業務時間外でも仕事に追われることが多いです。こういった現実を踏まえて、本当の意味で「安定」しているのでしょうか。教員の仕事が多くの負担を伴いながらも、それに対するサポートや報酬が不十分だと感じることがよくあります。

授業で使う備品:小さな出費が積み重なる

授業をスムーズに進めるために、ポストイットや赤ペン、ホワイトボード用の道具などを自分で購入する教師も多いです。学校には予算がありますが、簡単に頼んで予算内で買ってもらえるわけではありません。自分で使いたい道具を買うために、少しずつお金がかかります。

早めに伝えれば備品を準備してもらえることもありました。とはいえ、決して無駄遣いしているわけではないのに、どうしても自腹を切らなければならない場面があるのが現実です。

特別支援学校で職業や作業実習を担当する際、その実習で着用する作業着は自分で購入でした。民間企業から転職した私からすると制服を自分で購入するシステムは驚きでした。しかも、担当が1年で終わることもあり、そのたびに新たに支出が必要になることも。

まとめ

教員は生徒に良い授業を提供するため、日々努力していますが、そのための投資も惜しまない姿勢があるのです。私の出会った一緒に働いた先生たちは、みんな真面目で一生懸命。

もちろん、自腹での出費や仕事の負担は大変ですが、それを乗り越えて子どもたちにとってより良い環境を作ろうとする気持ちは変わりません。

以上、教員の自腹についてでした。子どもたちにとって、先生たちにとって、より学校が良い環境になりますように。