病気休暇2か月目の記録:少しずつ見えてきた未来
20年以上、学校の先生として働いてきました。病気休暇を取る先生たちのことを、どこかで「ずるいなぁ」とか「できない先生なのかな」と冷めた目で見ていた自分がいました。だからこそ、自分が病休を取るなんて考えもしなかったし、定年までやりきるつもりでいました。
しかし、そんな私が病気休暇を取り、半年後に退職を決意することになりました。今だからこそ、当時のことを振り返りながら書いてみたいと思います。
病休1か月目:ただ過ぎていった時間
病休を取って、あっという間に1か月が経ちました。振り返っても、これという出来事や大きな変化はなく、体の不調も続いていたので、病院に行ったり、寝たり、散歩したり、ゆっくりしたりしていたら1か月が終わっていきました。
2か月目:少しずつ動き出す
2か月目に入り、少しずつ元気になってきたこともあって、このままでは自分がダメになりそうな気がして、昔から付き合いが長い大事な友だちに連絡を取りました。
「実は体調を崩してお休みをもらってて…」
すると、
「時間あるなら、ごはん行こう!」と誘ってくれたんです。それがとても嬉しかったのを覚えています。
やっぱりどこか怖かった。みんなが頑張って仕事をしているのに、自分だけお給料をもらってランチに行くなんて、罪悪感でいっぱいで…。
だから、自分から誘うことはできませんでした。でも、この友だちとのお出かけでの会話が私にすごく元気をくれました。
一人は、私と同じような経験をして早期退職した友だち。その友だちは、少し先を生きている感じがして、話がどれも興味深かった。辞めようと決心したときのこと、退職金のこと、今の生活のことなど、私のこの時の状態にも共感してくれて、わかってくれて、「話をするってこんなに癒されるんだ」と改めて思いました。
もう一人の友だちは、会社を辞めて自分で事業を始めていました。生き生きと今を生きる彼女の姿がキラキラしていてまぶしく感じたのを覚えています。
この2人との会話で、悶々と悩んでいた私の考えが、「復職」から「転職」へと変わり、心が軽くなったのを思い出します。
「一度しかない人生、なんと狭い世界観で悩んでいたのか」
そう気づいたとき、少しずつ前を向けるようになりました。
体調の変化と家族の反応
元気になってきた私は、少しずつ昼寝の回数が減って、夜中に目が覚めることも少なくなりました。けれど、この時期しんどかったのは、子どもたちの言葉でした。
「今日も仕事休むの?」
「今日も家でゆっくりするの、うらやましいなぁ」
そんな風に言われると、子どもたちを不安にさせているのではないかと心が痛みました。
「体調を崩しているから、あと1か月お休みするよ」と伝えても、それがかえって不安を強めてしまうこともありました。
もう一つしんどかったのは、職場からの連絡でした。
「〇〇どうなってる?」
「戻ってきたとき困るだろうから、どうしておいてほしい?」
こうした連絡が来るたびに、一気に現実に引き戻され、また眠れなくなってしまう日もありました。
でも、「眠れなかったらお昼寝しよう」と、この頃には少し気楽に考えられるようになっていました。
体調は少しずつ良くなってきたものの、頭痛は時折やってきました。
「こんな状態で社会復帰や転職なんてできるのかな…」と不安になることもありました。
退職を決意するも…
心療内科には1か月に1度通い、このとき3か月分の診断書を書いてもらいました。でも、ずっと「申し訳ない」という気持ちのままで過ごすのがしんどくなってしまい、病気休暇ではなく、退職をさせてほしいと職場に伝えました。
しかし、「教員は承認されないと退職できない」とのことで、「3月末まで待ってはどうか」と説得され、すごく疲れてしまいました。
こうして、2か月目も終わっていきました。
小さな楽しみを見つける
「どうしていいかわからない…」
そんなとき、ふと料理本を買ってみました。久しぶりに、新しいレシピを試しながら楽しく晩ごはんを作ることが、小さな楽しみになりました。
病休2か月目は、少しずつ体も心も変化しながら、「これからどうしよう」という気持ちと向き合う期間だったように思います。